The die is cast.
『永遠虹路』の紹介
2010-07-22 Thu 00:17
来週、三冊目となる拙著、『永遠虹路』(えいえんこうろ)が発売されます。
公式HPの紹介でも、あらすじは読めるのですが、本筋は分からないと思いますので、少しだけ説明したいと思います。

この物語は「虹」をモチーフとしており、7つの短編を組み合わせて1つの長編を構成しています。
しかし、特殊な構成を取っているせいで、非常にあらすじを書きにくい小説でもありました。

彼女が本編の主人公かどうかは、ともかく。
この小説は、舞原七虹(なな)という一人の女性の人生を辿る物語です。
本心を見せない彼女が、一体、何者なのかを紐解いていく物語です。

構成上、全体の流れは書きにくい物語なので。
第一話のあらすじだけ書かせて頂こうと思います。



第一話「朱夏」

一話の語り手は、夏目瑛太(なつめ・えいた)という28歳の社会人です。
とある六月のこと。
彼は派遣社員としてやってきた、一つ年下の女性、舞原七虹(まいばら・なな)と知り合います。
七虹はとても美しい女性で、夏目は一目で彼女に惹かれてしまうのですが、何処か世俗を拒絶しているような彼女は心を許してくれません。

僕の担当さんは、僕と同じアラサーの男性編集者で。
第一話の打ち合わせをしながら、夏目の心の動きに、「あるよね、これ、あるよね。てか、こういうの割とあるよね」と、二人で無駄に盛り上がっていたのですが。
やっぱり、男というのは非常に単純な生き物で、かつ馬鹿な生き物でもあって、社内に素敵な女の人がやってきたら、めちゃくちゃ気になるし、出来れば接点持ちたいし、でも勇気も出ないしと、多分、女の人からしたら馬鹿みたいな葛藤を繰り返している生き物なのです。

十年くらい前、スピッツに「ハイファイ・ローファイ」という名曲があって。
その中に、
「毎度 カワイイだけで大好きさ」
という歌詞があります。
どんだけ真理を端的についているんだろうと、今でも忘れられないワンフレーズなのですが、
要するに、七虹と出会った夏目は、そういう気持ちだったのだろうと思います。

28歳、独身男子が、自分を相手にしれくれないカワイイ同僚を振り向かせようと、頑張る物語。
言ってしまえば、第一話はそんな物語です。
社会人男子の涙ぐましい葛藤の物語です。

世の中のOLさんたちは、これを読んで、男だってそれなりに頑張っていることを知ったら良いんだと思います。
出来たら、「男って単純で馬鹿ね」じゃなくて、「不器用に頑張るところは可愛いわね」と、善意に解釈して欲しいです。
と、僕と(確認してないですが)担当さんは思っているのだと思います。多分。



さて、ここまで読んで。

あれ?
何処が特殊な構成なんだろうと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

この続き、残りの6篇がどういう世界を描くかは、ぜひ予備知識ゼロで楽しんで下さい。
きっと、色々と想像を膨らませながら、新感覚で読んで頂けると思います。

最終話の扉を前にした時、物語の結末が気になって仕方がない。
そんな風な小説になっていたら良いなぁと、願っております。

来週の月曜日、7月26日発売です。
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