The die is cast.
重版報告&質問への回答
2013-02-27 Wed 02:18
先日、仕事で使っているアカウントに、一通のメールが届きました。
差出人欄には「みきかずま」と平仮名で書かれていました。

カリスマ編集が改名したのかなと思ったのですが、
本当はそんなこと思ってはいないのですが、
ともかく、そのメールにはリンクが張られていて、
『あやさきしゅん様へ、グリーティングカードが届いています』
と書かれていました。

何だろう。
こんな時期だけど、出世して副編集長から編集長になったりした報告かなと思ったのですが、
本当はそんなこと思ってはいないのですが、
リンク先に飛ぶと、可愛らしいウサギがドアから飛び出してきて、お祝いを言ってきました。
そして文面には……。

「おめでとうございます! 『命の後で咲いた花』重版いたしました!」

眼の下のクマが引かないくらいに忙しいのに、また手の込んだことを……。
三木さん、本当に倒れないで下さいね。
と、ワーカホリックな担当編集の身体も心配なわけですが。

論点はここです。
『命の後で咲いた花』、重版かかりました!

今回は初めての単行本だったので、再デビューするくらいの気持ちでいました。
そんなこともあり、本当にもの凄く嬉しかったんです。
安堵の気持ちもあるし、大勢の読者さんに届いたという喜びもあります。
ご購入して下さった皆様、本当に、本当にありがとうございました!

何件も探し回って下さった方が沢山いらっしゃることを知っています。
学生の皆様にとっては、決して安い買い物ではなかったとも思います。

皆さんが一冊の本を求めて下さったこと、
この物語を楽しんで下さったこと、
深く、深く感謝致します。



コミック版『ノーブルチルドレンの残酷』との連動キャンペーンの締め切りは一ヶ月後です。
(詳細はこちら、シルフ公式HPの告知をご覧下さい)
せっかくの応募者全員プレゼント企画なので、皆様、こちらにも応募して下さいね!

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綾崎 隼

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前回の記事で頂いていた質問に答えましたが、新刊発売後に届いたファンレターが編集部から送られてきまして、そちらにも幾つか質問があったので答えたいと思います。
皆様、本当にいつもお手紙ありがとうございます。
とても励みなっております。


Q1:『命の後で咲いた花』プロローグなどで引用されている曲のタイトルは何ですか?

物語中で登場人物が思い浮かべている曲には大抵、想定されている元ネタがあります。
しかし創作の場合もあります。
歌詞をそのまま引用しているわけでもありませんが、参考までに書いてみます。


プロローグの「涙を流した数より一つ多く笑えたら」というのは、
GARNET CROWの『スパイラル』です。
ライブに行きたいです。


第一部、第二話の「恋の順序を覚えたって、初めての電話では、いつも震えるとか震えないとか」というのは、
プリンセス プリンセスの『Diamonds』です。


第二部、第二話の「生きることを諦めたくないから神様を信じる強さが欲しい」というのは、
小沢健二さんの『天使たちのシーン』です。
名曲です。


第二部、第三話で透弥が思い出した荒井由実さんの曲は、そのまま「ひこうき雲」です。

ざっと思い出せるのはこの辺りです。
時代もジャンルもバラバラですが、音楽は彼らの人生を彩るものだったのだろうと思っています。



Q2:いつか子どもが出来たら、小説の誰かから名前を頂くことを許して頂けるでしょうか?

もちろんです。
許すどころか光栄過ぎて恐縮です。
もし本当にそんな日がきたとしたら、ぜひ、報告を頂けたら嬉しいです!

ちなみに個人的に思い入れのある名前は、何と言っても『雪蛍』です。
夏にしか飛ばない『蛍』と、反する季節の『雪』の組み合わせが気に入っています。

もう一人、新刊の主人公『なずな』も10年以上温めていた大切な名前です。
本当に気に入っていたので、いつか犬を飼った時につけようと思っていた……と書くと、凄く「なずな」に失礼な感じですが……。
自分の子どもにつけても良いなと思うくらい、気に入っていました。
僕にとって『命の後で咲いた花』は、そのくらい大切な小説でした。



Q3:綾崎さんのお薦めの本はありますか?

この質問には何回か答えているので、同じ作品名を挙げることになってしまいますが。
メディアワークス文庫だと、本当に凄いなと思ったのがこの本です。

昨日は彼女も恋してた (メディアワークス文庫)昨日は彼女も恋してた (メディアワークス文庫)
(2011/11/25)
入間 人間

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明日も彼女は恋をする (メディアワークス文庫)明日も彼女は恋をする (メディアワークス文庫)
(2011/12/22)
入間 人間

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これは前後篇なので、二冊で一つの物語です。
入間人間さんの本はかなりの冊数を読んでいますが、僕はこの二冊が特に好きです。
青春ミステリーとして完璧なんじゃ……と思っています。


切ない物語がお好きなら、この二冊が特に良かったです。

空の彼方 (メディアワークス文庫)空の彼方 (メディアワークス文庫)
(2010/01/25)
菱田 愛日

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『空の彼方』は『蒼空時雨』と同時に、電撃大賞で<選考委員奨励賞>を受賞した作品です。
そんなわけで発売日も一緒でした。
『吐息雪色』で真奈が読んでいた本も、このシリーズです。
太陽の光を浴びると死んじゃうというアレです。



他社の作品だと、どれを挙げるべきか迷います。
年に100冊くらいは読んでいるのですが、自分が作家になってしまったせいで、なかなか素直に感想を言いづらいので……。

なので、ここ何年かに読んだ本で、自分が特に好きだった本を。
前も挙げましたが……。

文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
(2011/10/22)
宮木 あや子

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勝手にふるえてろ (文春文庫)勝手にふるえてろ (文春文庫)
(2012/08/03)
綿矢 りさ

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どっちも単行本で読んでいたので、リンクを作成していて、あ、もう文庫化するくらい前の本なのね……。
と、時の流れの早さに驚きました……。

綿矢りささんの文章が好きです。

セレモニー黒真珠は、装画がワカマツカオリさんです。
物語にイラストもマッチしていて、大好きな一冊です。


そして最後に、再びMW文庫に戻りますが。
意外とこの本を読んだことのない方が多いので……。

INNOCENT DESPERADO (メディアワークス文庫)INNOCENT DESPERADO (メディアワークス文庫)
(2012/02/25)
綾崎 隼

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『命の後で咲いた花』が3年の集大成なら、こちらは2年目の集大成的な作品です。
これでもかというくらいに青春小説になっていますので、未読の方には、ぜひ手に取って頂きたいです。



Q4:前回の記事で書いていた<赤と白のクラブ>は香川のいるクラブですか?

違います。
マンチェスターユナイテッドではありません。
そこはライバルチームです。
むしろ、僕らのエースを引っ張っていったクラブなので敵です……。
ユナイテッドは<赤い悪魔>なので、白のイメージはないとも思います。



Q5:作家を目指していたのに、仕事がハードな学習塾に就職されたのは何故ですか?

こちら、兼業作家を目指して就職活動中の方から、塾でのお仕事も考えているとのことで、色々と質問を頂きまして、参考になるかは分かりませんが、(正直、参考にならない気もしますが……)自分の経験を書かせて頂きます。

基本的に僕は努力をしただけじゃ夢なんて叶わないと思っていて。
「努力をすれば必ず夢は叶う」などという言葉を聞くと、そんなことあるものかと反射的に今でも思ってしまうのですが。
夢を叶えている人は少なからず努力をしているわけだし、頑張るのは嫌いだけれど、少なくとも小説を書くという行為にだけは努力を惜しまず、投稿時代を送っていました。
理想を言えば、ずっと小説だけ書き続けて夢を追いかけられたら良いわけですが、働かなくては生きていけません。

質問には学習塾の仕事はとてもハードと書かれていまして。
まあ、それは働いている塾や立場にもよると思うのですが、執筆のための時間が欲しかったので、夜にずっと起きていられる仕事をしたくて塾講師を選びました。
学校の教員と言うか、本当は司書教諭(学校の図書館の先生)になろうかとも考えたのですが、塾講師の方が時間が取れるだろいうというのが5割、早起きしなくて良いので、ヨーロッパサッカーとドイツワールドカップ(2006年)がリアルタイムにすべて観れるというのが5割で、塾講師に決めました。
後半の理由も大袈裟ではなく5割を占めています。
本当にふざけた理由で申し訳ないのですが……。
頭がおかしいんじゃないかと思うくらいにサッカーを愛しているので……。
そんな感じで投稿生活を送っていました。


塾講師は作家になっても続けています。
生活していくという意味だけならば続ける必要は既にないのですが、今も継続しているのには理由があります。

まず、単純に子どもたちと接するのが好きだという点があります。
そして、塾講師という仕事が自分に向いていたというのもあります。
授業も楽しいし、やりがいもあるし、自分の勉強にもなるし……向いている職業だったのだろうと思います。
(さすがに一年目は授業の準備が大変でしたが、教職は続ければ続けるほどスキルがアップしていくので、ドンドン楽になります)
基本的にサッカー以外で外出しないので、そこで大勢の人と喋れるのも楽しいですし、普段、小説しか読まないので、国語の授業で論文を読むのも新鮮で、作家としても得るものが多いです。
学生時代は小説の問題を解かされることに、一体何の意味があるんだと思っていましたが、
(意味があるかという観点で言えば、今も甚だ疑問に感じていますが)
たとえばセンター試験対策で小説の問題を解いている時、こんなことでもなければ読むことがなかっただろう小説と真剣に向き合うことになりますし、(作家としてならば)凄く有意義だと感じています。

大学卒業後は大手の塾で働いていたのですが、今は独立した友人の塾を手伝っています。
なので人間関係でストレスを感じることもありませんし、働く時間にも融通を利かせてもらっているので、その辺りも続けていられる理由の一端なのかもしれません。
小・中・高とどの世代もいる塾ですし、現代の子どもたちの感覚に常に触れていられるというのも、作家にとっては凄く意味のあることだと思っています。


そんなわけで。
あくまでも僕の経験談でしかありませんが、作家を目指しながらの仕事として、教職はとても良いと思います。
同期に浅生楽さんという大学で教鞭をとっている兼業作家さんがいるのですが、楽さんも教職は作家との相性が良いと言っていました。
僕もそう思います。

ただ、教職という仕事は本当に合う合わないがあるので。
その辺りは新刊『命の後で咲いた花』でも色々と書いていますが(教職を目指す子たちの物語なので)、質問者さんの個性による部分も大きいかもです。
熱意のある人がイコール良い教師になれるわけでもないですし、現代っ子を御せない人は厳しいです。

あと、ブラック企業だろ……という進学塾も正直あります。
地方の新潟ですら。
と言うか、フランチャイズで社員の扱いが良い塾の話なんて聞いたことがない気すらします。
僕は上司や同僚、環境に幸運にも恵まれてきたので、そういう状況とは無縁でしたが。


気付けば色々と書いてしまいました。
少しでも参考になってくれたなら嬉しいです。

それでは今回はこの辺りで終わりにしようと思うのですが、最後まで読んで下さった方に一つ。

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