The die is cast.
『陽炎太陽』のプチ情報
2013-06-17 Mon 02:00
『陽炎太陽』楽しんで頂けましたでしょうか。

陽炎太陽 (メディアワークス文庫)陽炎太陽 (メディアワークス文庫)
(2013/05/25)
綾崎隼

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発売から3週間ほど経ちましたので、諸々、書いてみたいと思います。
本編の物語には一切触れませんので、ネタバレもありません。


1:表紙と口絵

本作もワカマツカオリ様に美麗なイラストを描いて頂きました。
基本的にイラストに関してはワカマツさんと担当編集にお任せしています。
今回は3人なるか、この2人になるか、どちらかだろうと思っていました。
正解は後者でしたが、口絵に登場する嶌本和奏も本当に素敵なので、まだお手に取っていない方は、ぜひ書店で確認して下さいね!


2:章扉

本編4話と幕間の5枚を描き下ろして頂いております。
読書の前にイラストをすべて確認する方もいると思うのですが、
(と言うか、僕がそうなんですが)
前の章のネタバレ的な文章がパッと目に入ったら嫌だなぁという思いがあって、出来ることなら扉の右側は空白ページにしたいという思いがあります。

また、物語中の決定的な一文(ネタバレのシーンなど)は、ページをめくった場所に置きたいという気持ちがあって、『初恋彗星』や『命の後で咲いた花』は改稿の中で調整出来たのですが、今回そちらは上手くいきませんでした。
頑張ったんですが、見開きで32行あると、そういつも上手くいくとは限りません。

第二話の扉絵で椅子にかかっているのは、お馴染みのジェリーベアです。
ノーブルチルドレンで登場した時にワカマツさんがデザインして下さったんですが、本当に可愛かったので、ことあるごとに登場させてしまいます。


3:他シリーズとのリンク

巻末<人物相関図>の通り、ヒロインの嶌本和奏は『初恋彗星』で登場した嶌本琉生の妹となります。
もう一人のヒロイン、舞原陽凪乃は『蒼空時雨』の主人公、舞原零央の同い年のいとこです。

『陽炎太陽』は入っていませんが、公式HPのコチラでもリンクは確認出来ます。


4:執筆過程

要した時間はいつもと変わらないのですが、執筆がスタートしてから終わるまでという意味では最も長い時間がかかっています。
『ノーブルチルドレン』と同時期に書き始め、実は2年半前にプロローグ部分(約50ページ)を書き終えていました。
その後、他作品を書く関係でいったん脇に置いてしまいましたが、プロローグが本当に気に入っていて。
(長いので最早プロローグじゃないとも言われましたが……)
今までで一番上手く導入を書けた気がしていたので、いつかは完成させたいと思っていました。
二年以上の中断期間を経て完成したこともあり、感慨深い一冊になりました。


5:花鳥風月シリーズの次回作

<花鳥風月>シリーズは読み切りなので、アイデアさえ思いつけば幾らでも書けるし、思いつかなければ書けないというシリーズなのですが、少なくともあと一冊『月』の物語を書きたいと思っています。
『月』のタイトルはデビュー前から決めていて、プロットも作ってあります。
ただ、そのアイデアが時と共に自分の中でしっくりこなくなってしまい、現在は保留中となっています。
(と言うか、恐らく一から作り直すことになるような気も……。)

『初恋彗星』のあとがきで、本文中に一ヶ所矛盾があると書いているのですが、その矛盾個所が当初は『月』の根幹に関わる予定でした。
ちなみにそれはP154の幕間で、「ワールドカップの決勝でロベルト・バッジョのPKがクロスバーを直撃した」という部分です。
(実際の出来事が気になる方は、こちらのリンクの1994年アメリカ大会の項をご覧下さい)

ここで張った伏線も、いつかは物語に使いたいのですが……。
ちょっと難しいかも……と、今は思っています。


6:綾崎の次回作

現在メディアワークス文庫HPで短編を公開している『ノーブルチルドレン』の短編集となる予定です。
詳しい話は今月25日に、短編の後篇が公開されてからブログで書きたいと思います。

『ノーブルチルドレンの夏茜』


7:モチーフ、その1

言わずもがなで『太陽』が最大のモチーフですが、それ以外にも幾つかの小道具が登場しています。
一つ目はサイモン&ガーファンクルの曲です。
学生時代にギターで弾いていたこともあり、今回、主要キャラクターごとにモチーフとしました。

響野一颯
『水曜の朝、午前3時』(Wednesday Morning, 3 A.M.)

舞原陽凪乃
『明日に架ける橋』(Bridge over Troubled Water)

嶌本和奏
『サウンド・オブ・サイレンス』(Sounds of Silence)

どれも何処かで聴いたことがあるような有名な曲ばかりかもしれません。
機会があれば、ぜひ歌詞を追いながら聴いてみて下さいね。


8:モチーフ、その2

2つ目のモチーフはオルゴールです。
もともと好きだったこともありますし、ヒロインの和奏が山梨出身なんですが、作中で琉生が話した場所はコチラを想定しています。
『初恋彗星』の舞台が河口湖の近辺なので、そういう意味でも、上手く物語にはまってくれました。

下の写真は『陽炎太陽』の発売を記念して、サッカー仲間(作家仲間ではなく)がプレゼントしてくれたオルゴールです。

陽炎オルゴール

時々、物語のモチーフとなった物をプレゼントで頂くのですが、せっかくなので以前に頂いてとても嬉しかった物をもう一つ。
こちらは『吐息雪色』のモチーフ、雪蛍が葵依にプレゼントしたウサギのガラス細工です。

吐息ウサギ

白黒で撮ってみました。
こちらも素敵ですよね。


9:巻末の人物相関図

評判が良くて嬉しい反面、哀しい側面もあります。
『陽炎太陽』に人物相関図があって良かったと言われるということは、『命の後で咲いた花』を読んで頂けてはいないということだからです。

これまでに出版した本の中から一冊、お薦めを決めるとしたら、僕は『命の後で咲いた花』を選びます。
単行本でなかなか書店で見つからないという声も聞きますし、それはひとえに僕の知名度が低いことが原因なのですが、現状のすべてを込めた一冊なので、一人でも多くの方に読んで頂きたいです。

『陽炎太陽』と共に、どうか『命の後で咲いた花』もよろしくお願い致します。

命の後で咲いた花命の後で咲いた花
(2013/01/25)
綾崎 隼

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命の後で咲いた花
それでは、また。
『ノーブルチルドレンの夏茜』後篇が公開されましたら、ブログを更新したいと思います。
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